騒音の見積り:火薬類取扱保安責任者の資格取得講座



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騒音の見積り

最後に発破騒音について触れてみます。騒音は付近住民に恐怖心を与えたり、健康を害したりするだけでなく、二次振動の振動源ともなりうるため、大切な問題です。

しかし発破振動の問題に比較して、発破騒音の大きさを事前に予測することについては、これといった手法が確立されていないのが現状です。これは大きく二つの理由が考えられます。

一つは発破騒音の大きさや特性が、発破方法や薬量・距離だけでなく、発破点と対象地点の間に遮蔽物があるかないか、またその材質によって大きく影響を受けることです。

もう一つは、道路や飛行場など交通騒音のような恒常的な騒音が人体に与える影響については、かなり成文化されていますが、発破のような間歇的、一時的な騒音を同様に論じてよいかという点が明確になっていないということが挙げられます。


石灰石鉱山のベンチカット発破において、爆薬近傍で約4キロパスカルの音圧が放出されたという測定結果があります。この時の薬量は換算深度で、穿孔長1メートルに対して薬量1キログラムに相当するものでした。

一方、面音源から放射された音は、距離に反比例して減衰し、面音源の大きさに比例します。またその比例定数は音源が正方形の時0.55であるという理論式があります。この式に先程の爆薬近傍の音圧を代入すると、穿孔長が1メートルの場合、発破点から100メートル離れた地点の音圧は0.022パスカルとなります。これはピーク音圧レベル換算で約60デシベルとなります。

これは薬量1キログラム、穿孔長1メートルの適正装薬時の、100メートル離れた地点での騒音レベルの試算例となります。ただし、発破点と対象地点間に遮蔽物が何も無い場合を想定しています。間に山稜や人工の遮音壁でもあれば、騒音は極端に減少すると思います。

私たち火薬類取扱保安責任者としては、今後は発破音のような間歇音の測定データも盛り込んだ環境基準が整備されることを期待するとともに、遮音壁や防音シートなどを活用して付近住民に対する環境負荷の少ない発破を心がけてゆきたいと思います。


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