安定度試験(火薬類の賞味期限)
ここからは性能試験について触れてゆきます。消費だけを行う事業者の火薬類取扱保安責任者にとって、性能試験はほとんど経験する機会のないものかも知れません。しかし、例えばカタログに示される試験値が何を表しているのか判断できないようでは、適切な爆薬の選定もできません。知識として身に付けておくことは必要と思います。
最初は安定度試験です。安定度が特に問題となるのは硝酸エステル系の火薬・爆薬です。これらは時間とともに加水分解を起こします。しかも、その分解は自己加速度的です。加水分解が進行すると自然発火・爆発につながりますので要注意です。硝酸エステル系で有名どころは、爆薬ではダイナマイト、火薬では無煙火薬です。これらは製造後1年目から安定度試験を行わなくてはなりません。
次はそれ以外の爆薬です。ANFOや含水爆薬は硝酸塩(具体的には硝酸アンモニウム)を主原料としますので、自然分解はそれ程心配ありません。事故が起こったときの過酷さを考慮して、製造後3年目から安定度試験を実施します。
最後に黒色火薬ですが、これは安定度試験を実施する必要がありません。事故が起こっても過酷ではないとは言いませんが、黒色火薬の場合、時間が経つと火薬としての性能が失われて安全な物質となってしまいます。ですから事故防止には別の方法で気を使って下さい。
安定度試験には遊離酸試験、耐熱試験、加熱試験などの方法があります。試験結果は都道府県知事に報告が義務付けられており、試験に合格しない火薬類は廃棄しなくてはなりません。
カテゴリー:試験対策1:一般火薬学について
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